年上男性からお金もらって交際した女性の落とし穴

SNS

「金銭を介した交際の一環として貰った金銭は返金しなくてはいけないのでしょうか。」

大学時代にやりとりのあった年上男性から返金を求められている女性が、相談を寄せました。
相談者は大学生の時、その男性と関係を結んでいました。
一度だけ「10万円を貸して欲しい」と頼み、借用書を作成したものの、それ以外は「旅行や食事など過ごした時間との対価としてお金をもらっていた」といいます。
しかし、社会人になったので「もう会えません」と伝えると、「これまでに渡した40万円を返金しろ」と要求されました。
就職先を伝えていたため、「返さないならお前の職場に連絡する。証拠はある」とも言われたそうです。
過去にも一度、職場に内容証明を送ってきたことがあるといい、相談者は危険を感じています。

相談者はどのように対応するべきなのでしょうか。

「返金する必要はない」

現金

相手は借用書のある10万円以外にも、交際を通じて渡した30万円の合計40万円の返金を要求していますが、返金する義務はあるのでしょうか。

結論からいえば、借用書のない30万円は返金する必要はないと考えられます。

このような交際をしてお金をもらう約束をすることも一種の契約だと考えられます。
内容にもよりますが、性行為を伴う契約は、民法90条の公序良俗違反となり無効となると考えられます。
すでに支払われている30万円は、民法708条の不法原因給付に該当し、その返還を求めることができません。

もし仮に、相談者の契約が公序良俗違反にあたらない場合はどうでしょうか。

その場合でも、30万円は贈与等と解され、契約に基づく支払いとみなされることになります
したがって、この場合でも返金する義務はないと考えられます。

「職場に連絡する」との発言。対処方は?

脅迫

相談者は職場に連絡されることを恐れています。対処法はあるのでしょうか。

「職場に連絡する」という元客の発言は脅迫や恐喝にあたる可能性があります。
職場に内容証明を送るという行為も、明らかに理由を欠くにもかかわらずそうすれば脅迫等の行為にあたる可能性があります。
また、このような元客の行為は、ストーカー規制法によって規制される「つきまとい等」にあたる可能性もあります。

この相談者がこの男性との接触を断つためには、警察に相談することもおすすめです。
また、弁護士に依頼し代理人として交渉してもらうことで、元客に行為をやめるよう説得・警告等していくことも考えられます。

  

●借用書のないものは、返金する必要がない可能性が高い
「職場に連絡する」等の発言や付きまといも、罪に問える可能性がある
金銭を介した交際は、相手との関係性が大きく崩れ問題に巻き込まれる可能性大
問題が発生したら、すぐに警察や弁護士へ相談を!

 

弁護士をミカタに