千葉東金道路を自動車で走行していた運転者が、あおり運転を受けて強制停車させられたとする動画がYouTubeにアップされ、ネットで話題となっています。
投稿者は、動画の概要欄で、「自動車専用道路の本線をふさぐような形で暴言を吐かれ、恫喝される映像です」としたうえで、「当該映像は千葉県警察本部へ提出済みであり、現在犯人の特定と逮捕へ向けた捜査が行われています」と述べています。
動画では強制的に停車させられたとする場面が大々的に映されています。
このような「あおり運転」は、刑事責任を問えるのでしょうか。
高速道路の中央で「車体を横向き」
動画が始まる場面の前段階からすでに何らかのトラブルが発生していたのか、冒頭から運転を妨害される撮影者が千葉県警に通報している様子が流れます。
撮影者は相手の車の車種やナンバーなどを尋ねる警察に冷静に伝える中、相手は速度を落とし始めて進路を塞ぐなど本格的に妨害し始め、ついには道路中央付近に車体をほぼ横向きにする形で停車しています。
道路のほとんどを塞いでしまったため、撮影者以外の車の進路まで妨害する状況も発生していました。相手は車の窓を開けて、撮影者に何かを叫んでいる様子が映されています。
相手は他の車が避けていくのは妨害しないものの、撮影者への妨害は継続。横を抜けていこうとする撮影者の車の前に出て、蛇行しながら妨害し始めました。
再び左車線の中央寄り部分で停車。車体こそ進行方向を向いているものの、撮影者や他の車を妨害している状況には変わりはありません。その後、撮影者がさらに警察とやり取りを続けていると、気が済んだのか、スピードを上げて走り去っていきました。
投稿者によると、動画は、運転を妨害された自動車に登載されたドライブレコーダーで撮影したものとしています。
あおり運転は「重罪」
他の車両等の通行を妨害する目的で、急ブレーキや車間距離を極端に詰めるなどのあおり運転をした場合は、「妨害運転罪」として刑事責任を問われる可能性があります。罰則は、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」となっています(道路交通法117条の2の2第11号)。
また、違反点数25点であり、行政処分として運転免許の取消し(欠格期間2年、最大で5年)となることもあります。
さらに、あおり運転によって著しい交通の危険を生じさせたときは、「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」を科されることもありえます。この場合、違反点数35点で、当然運転免許の取消し(欠格期間3年、最大で10年)となります。
言うまでもなく、高速道路の本線道路中央付近で車体をほぼ横向きにする行為は、複数の車を巻き込む多重事故にもつながりかねない極めて危険な行為です。
撮影者はリアルタイムで警察に通報し、投稿者も動画を提出したとしていることから、動画内容が事実であるとすれば、今後の捜査次第で事件化される可能性は十分考えられます。
●ほかの車両の通行を妨害する目的での「あおり運転」は、「妨害運転罪」として刑事事件に問われる可能性がある。
●行政処分として、免許の取り消しになることもありうる。
●その場での通報や、ドライブレコーダーの映像等が犯人特定に有利に働くこともある。